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1.家族問題の身代わりになる子供

子供の問題行動が、親の問題を表面化させるのを防いでいるということがあります。

Aさんの長男は、一流大学に入り、将来を嘱望されています。
両親の自慢の息子です。

一方、次男は、中学生の頃に暴力沙汰を起こし、高校もすぐに中退してしまいました。
アルバイトをしても長続きせず、親にも反抗的です。

父親も母親も、この次男に振り回され、くたびれ果てていました。

両親は明らかに次男に問題があると思っています。
しかし実は、次男はスケープゴート、
つまり家族の身代わりになって問題を起こしていたのです。

この家族は、父親が大のお酒好きで、
家庭のことはすべて母親がコントロールしてきました。

母親は、休日に朝から飲酒する夫を見下し、長男が生まれてからは、
夫を相手にしませんでした。

実質的には、長男が家族の大黒柱で、母親は何をするにも長男に相談します。

母親は、子供たちに父親のようになってほしくないと切望し、
次男には「お兄さんを見習いなさい」と言って勉強を強いてきました。

母親と長男は共依存関係にあり、何か家庭に問題が生じるといつも次男を非難します。

「お前さえ、ちゃんとしてくれれば・・・・・」と、次男を犠牲にしておけば、
自分たちの問題を意識しなくてすみ、安心できるからです。

両親に夫婦としての機能はほとんでなく、バウンドリーもありません。

父親は、家庭で小さくなっていて、自分の意見など何も言わず、
存在感は限りなくゼロに近いのです。

この家族の場合、あらゆる問題のスケープゴートとして次男がいるわけで、
次男が更生してしまうと、他の家族は自分たちの問題に直面させられ、
困ることになります。

無意識的に、「このままでいてくれた方が安全だ」と感じているわけです。
スケープゴートにされた本人も、無意識的ですが、その役割を演じ続けます。

このようなケースでは、親たちは自分たちに矛先が向かってくると慌ててしまし、
自己防衛的になって、カウンセリングを拒否することさえあります。

家族の気づきがない限り、次男の反抗は決して良くなることはありません。

丸屋真也(著)『他人は変えられないけど、自分は変われる』から要約しました。

 

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1.家族間では、バウンドリーが複雑になりやすい

39歳の母親A子さんが、中学一年生の娘の不登校に悩み来談しました。

最初のうち、A子さんは娘について話していたのですが、
だんだんと夫に対する不満が出始め、
問題の根本は「A子さんと夫との関係」にあることが判明しました。

夫は仕事熱心で毎晩帰りが遅く、妻や子供と過ごす時間はほとんどありません。

A子さんの落ち込みは、長年にわたる夫とのすれ違いにあり、
「夫婦関係の悪化」が、娘の心に悪影響を与えていたのです。

この夫は、子供時代に、ワンマンな父親と神経質な母親のもとで育てられ、
両親に受容された体験がありませんでした。両親は、彼が「ノー」と言っても、
「反抗」としか受けとめなかったため、彼は口をつぐんでしまうようになったのです。

そのために、夫となり父親となって、妻や子供たちと情緒的・精神的に関わろうとすると、
不安感情が呼び起こされ、深い親密な関わりに恐れを感じてしまっていたのです。

そして、仕事にのめり込むことで、家族との関係を避けていたのです。

家族問題では、このケースのように、表に表れた問題の裏に、
真の問題が隠されていることがよくあります。

家族関係は、関わりが長く深いだけに、バウンドリーの問題が複雑になりやすいのです。
解決への道のりは容易ではなく、時間もエネルギーもかかります。

2.「特定された問題」と「本当の問題」

娘の摂食障害に悩む親からの相談を受けることがあります。

ここには、「特定された問題」と「本当の問題」があります。
特定された問題とは、摂食障害そのものです。

カウンセラーは、問題を子供の摂食障害として受けとめ、
その病理について考えながら対応していきます。

最初に本人に聞くことは、「両親からどのようにしつけられて育ったか」ということです。
ほとんどの人は、「お父さんは仕事が忙しくて、家にいませんでした」と答えます。

ワーカホリックの状態で、夫や父親としての責任が果たせていません。
遊んでもらった記憶がないという話も出てきます。

反面、母親との関係が非常に強くなっていることがあります。
夫婦の関わりが薄い分、母と子が密着しているのです。

この場合、特定された問題は摂食障害ですが、
本当の問題は夫婦の関わりが希薄であるということです。

娘は父親を求めていますが、父親は関わってこなかったために、
どう向き合えば良いのかわからず、逃げ腰になっています。

そんな父親に対して、母親は厳しい批判的な目で見ていることが多いのです。

このように、話をしていく中で、家族関係がだんだんと明らかになっていきますが、
特定された問題を解決するためには、
本当の問題を扱いながら対処しなければなりません。

3.父親の役割欠如がもたらすもの

息子に問題行動があるケースで、父親がその役割を果たしていないことが問題だった
ということがあります。

子供の暴力は、父親との関わりが原因になっていることも多いのです。
家族においては、父親は父親としての、母親は母親としての役割を担うことが重要です。

しかし、父親がその役割を果たしていないと、父子関係が真空状態になり、
それを母親が埋めようとします。

母親が母親の役割に加え、父親の役割まで果たそうとすると、ヒステリックになって、
子供を心理的にがんじがらめにしてしまうことがあります。

その結果、抑圧されて育った子供は、思春期になると爆発し、
暴力的になるケースがあるのです。

このような状況を改善する対策は、父親がもっと子供と接することです。

一緒に遊ぶ、スポーツを楽しむ、食事に行くなど、父親を中心に行動します。
こういった努力をするだけで、親子関係は違ってきます。

母親がシングルで子育てをしている場合は、父親に代わる男性像が必要です。

自分の兄弟、親戚、地域のサークルなど、男性と関わる機会を積極的に持って、
父親の不在を補うように考えましょう。

丸屋真也(著)『他人は変えられないけど、自分は変われる』から要約しました。

 

「先生、いい年をした息子が、いつまでたっても家を出て行きません。
どうすれば自立させられるでしょうか?」

困り果てたご両親から相談を受けました。
バウンドリーのことを知った皆さんなら、どう答えますか?

「それは、本人の問題ですから、親は考えないことですね。
親が考えれば考えるほど、子供は何も考えなくなりますよ。
親は子供のことではなく、自分のことを考えればいいのです。」

あなたと親、あなたと子供とは、一生つき合っていかなければならない関係です。
拒否しても、拒否されても、親子という絆で結ばれています。

影響を与えているし、影響を受けてもいるということを自覚しつつ、
家族内でもバウンドリーを守らなければなりません。

今回から、「親子間の適切なバウンドリー」について、
お伝えしていきましょう。

1.親も子も自立していない未熟な関係

A子さんは、仕事はできるのですが、自分自身のことになると、
親の許可なしに決断し行動することができません。

毎日のように、母親に電話をかけます。
母親は、体が丈夫でないので、A子さんを頼りにしています。

A子さんは母親から「あなたが男の子だったら良かったのにね」と言われ、
母親の言うことには素直に従ってきました。

その結果、大人になった今でも、母親の顔色をうかがい、
「ノー」が言えなくなってしまったのです。

毎日電話をしていたのは、「母親を満足させるためだった」とA子さんは気づきましたが、
このように、親にバウンドリーを侵略されていると自立は困難です。

B子さんは、親の援助を受けながら、弁護士になるために司法試験を受け続けています。
母親は、昔から自分も弁護士という職業にあこがれていました。

なんとか娘を合格させたいと、丸ごと生活の面倒を見て、経済的な援助を惜しみません。
B子さんの母親のように、子供を通して自己実現を図ろうとする女性は、珍しくない存在です。

子供を良い学校に入れ、良い職業に就かせることで、自らの劣等感を克服しようとするのです。
子供は自分の延長線上にいると考え、バウンドリーも境目がありません。

自分の目的を果たすために、子供を利用しているのです。

このような育てられ方をすると、親も子も自立することができなくなってしまい、
共依存関係へと向かいます。

順調にいっているときはいいのですが、子供が期待に反して失敗すると、
親の方が立ち直れないほどのショックを受けてしまうようなケースも見られます。

たとえば、夢に向かってチャレンジするにしても、働きながら勉強をするとか、
親の援助を受けるのは二年間だけなどと具体的な取り決めをして、
それを守るのが自立した親子関係の姿と言えます。

逆に、子供の方が、親のバウンドリーを侵しているケースもあります。

C君は、一人暮らしがしたいと家を出たのですが、「家賃がもったいない」、
「忙しくて食事が作れない」などの理由で、半年で戻って来てしまいました。

家に生活費を入れるわけではなく、アルバイトで得たお金は、
自分のこづかいで消えてしまいます。

その上、親と一緒に買い物に行くと、「今はお金を持っていないから」、
「家事をするから」と理由をつけて親にお金を支払わせます。

もちろん、なかなか返しません。

この場合も、具体的で明確な取り決めをし、それを守らせるのが、親としてできることです。
親がはっきりバウンドリーを示すことによって、子供のバウンドリーが明らかになります。

「大人になった娘の服を今でも洗濯している」と、うんざりしながら話す母親のことを耳にします。
これなども、子供が親のバウンドリーを侵している身近な事柄です。

丸屋真也(著)『他人は変えられないけど、自分は変われる』から要約しました。
 

1.パートナーに怒りを感じたとき

夫に怒りを感じたときは、その感情を口に出して伝えることが大切です。
感情は、人間の根本的な深いところから出て来るものです。

夫婦間でこれをないがしろにしていると、離婚という形につながることもあります。

増加し続ける離婚の原因を見ても、夫は妻のことをわかっているつもりなのに対し、
妻は「夫は何もわかってくれない」と感じているといったズレが起きやすくなるのです。

怒りは、大事な感情ですから、怒ることが必ずしもいけないことだとは言えません。
しかし、怒りは、爆発する状態にあると、非常に危険です。

今まで築き上げてきた関係を壊し、憎しみ合い、命を奪い合うことさえ起こります。
夫婦の間で怒りを感じたときは、その感情を押し殺さないで、早い段階で表に出しましょう。

ただし、感情的に言うのではなく、やさしく、冷静にです。
すると、破壊するまでには至らず、コミュニケーションを続けることが可能になります。

2.夫婦喧嘩のルールをつくる

ときには夫婦で意見が食い違って、言い争いになることも起こります。
そのときのために、ルールをつくっておくことをおすすめします。

「お互いの親や親戚のことは悪く言わない」、
「衝突しそうになったら、その場を離れて時間をおく」など、
夫婦に合った内容を考えれば良いのです。

たとえば、今、喧嘩になっていることだけを取り上げて、
「過去の問題を持ち出さない」ということです。

過去の問題を持ち出した方が無条件に悪い、と決めておきましょう。
過去のことをとがめられたら「ルール違反」ですから、そこで喧嘩は終わりです。

また、「翌日に持ち越さない」こともポイントです。
喧嘩は、その日一日で、けりをつけられたらベストです。

ただ、どうしても解決できない場合は、その続きをいつ話し合うかを二人で決めると、
感情的なしこりは残りません。

3.不完全だからこそ、互いに補い合う

夫婦に問題が起きる過程を見ていくと、「それまではパーフェクトな関係だったのに・・・・・」
というケースがよくあります。しかし、そこが問題だったのかもしれません。

表面上はなんの問題もないように振る舞っていただけで、深く関わるようになったことで、
問題が浮き彫りになっただけとも言えます。

熟年離婚はまさに、この流れの先にあります。

それまでは、夫は仕事に集中し、妻は子育てに専念し、互いに別の方向を見ていたので、
問題があっても気づきませんでした。

それが、子供が独立して夫婦二人だけになってみると、
相手に対して「あれっ?」と思うことが増え、
パートナーがまったく違った人のように見えてしまったりするのです。

また、「結婚したら、なんとかなると思っていました」という言葉もよく聞きます。
これは、心の中に万能感が潜んでいた結果と考えてよいでしょう。

しかし、夫婦間の問題は、努力しても克服できないこともありますから、
「なんとかなる」ということは幻想に過ぎません。

夫婦の問題を考えていくとき、「人間は完全ではないのだ」ということを忘れてはいけません。

「不完全な人間性」が、夫婦問題の根源であるということを、しっかり頭に入れ、
不一致が生じたときは、「建設的に対処しよう」という強い意思を持つことです。

その気持ちが相手に伝わって、信頼関係が築かれるのです。
その努力が、個人として夫婦として、成長していくための大事なプロセスです。

丸屋真也(著)『他人は変えられないけど、自分は変われる』から要約しました。
 

1.夫婦間でも「ノー」と言える仲になる

「妻は、なんでも二人一緒でないとだめなんです」と、夫が語気を強めて言うと、
「夫婦なんだから当然じゃない」と不満そうな妻。結婚して数ヶ月が経ち、
夫が週末に仲間とテニスを始めるようになってから、二人の間がギクシャクしてきました。

妻は、仕事以外のことは、すべて二人で一緒に行動するべきだと譲りません。
「夫婦一体」という言葉がありますが、なんでも一緒に行動することが、
一体ということではありません。

夫婦関係においては、お互いが「ノー」と言える自由、
つまりバウンドリーが保証されなければなりません。

最初のうち、妻は戸惑っていましたが、自分も必死に夫に合わせていたこと、
そのために「ノー」が言えなかったことに気づきました。

それからは、夫が一人で行動しても感情的になることもなくなり、
自分は自分で一人の時間を楽しむようになりました。

妻の変化に、夫は気持ちがとても楽になったそうです。

そして、これまで以上に、妻と一緒にいる時間を楽しめるようになりました。
スポーツが苦手な妻にテニスを教えて、一緒にプレーするようになったそうです。

二人は、本当の意味での一体感を感じ始めていました。

2.親から自立しているという意味

結婚して一年目のカップルですが、
夫が「妻が、同居している私の母に冷たいのです」と訴えました。

妻は、少し怒った顔をして、「やさしくしないわけではありません。

ただ、夫は姑に気を使って、二人で出かけるのも遠慮するし、
姑が自分の部屋に戻るまでは、
夫婦で話すのも悪いことをしているような態度なんです」と言います。

長年連れ添った夫婦間の深刻なしこりも、「親からの自立の問題」が原因であることが、
少なくありません。

「妻と親、どちらも同じように大事にしている」と言うと、
できた男性だと思われるかもしれませんが、

これでは、「親から自立している」とは言えません。

親から自立しているカップルは、夫婦としてもバウンドリーをしっかりと持っていて、
パートナーを親と同じような立場には置きません。

自立している人は、自分の親が病気になったとき、
親の要望を聞くことはもちろんですが、パートナーに相談なしに、
「退院後は、うちで面倒を見るから」などと安請け合いをしたりしません。

何か問題が起こったときは、二人が主体的に話し合い、
結論を出すことが親から自立しているということです。

3.仕事と夫婦関係のどちらを優先するか?

「夫は仕事優先で、家庭のことは私に任せっぱなし」というのは、
よく聞く妻の不満です。

これは、夫に時間がないだけでなく、夫婦が優先されていないために起こる問題です。
夫は、自分のバウンドリー内の責任を果たしていないのです。

健全な夫婦の条件は、「夫婦にコミットメントがある」ということです。
コミットメントとは、「優先権を与えること」です。

妻が本気で夫を必要としているときは、夫は妻のために時間をとる、ということです。
本当に互いを必要としているときには、どんな犠牲も払う、ということが、
夫婦のコミットメントであると理解してください。

丸屋真也(著)『他人は変えられないけど、自分は変われる』から要約しました。
 



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自己紹介:
氏名:中村彰宏
職業:心理カウンセラー
学歴:米国ロマリンダ大学院
カウンセリング学部卒業(修士)
資格:米国カリフォルニア州認定・
夫婦家族療法セラピスト
現職:オリーブ・カウンセリング・
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