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「バウンドリー(boundary)」という言葉を紹介します。

バウンドリーとは、「所有地の境界線」を意味する言葉ですが、
ここでは、「自分と他人を区別する、精神的・心理的な境界線」
という意味合いで使っていきます。

人と関わるときに、どこまでが自分の責任で、
どこからは責任を負う必要がないのか、線を引くのは難しいことですが、
バウンドリーを意識して実践すれば人間関係がラクになります。

また、バウンドリーを形成し、確立していくことが自立につながります。

バウンドリーは、「アダルトチルドレン」や「共依存」の概念と同じ線上にあります。
バウンドリーとは、「自分の責任領域を示す境界線」のことです。

つまり、どこまでが自分の責任で、どこからが他人の責任なのか、
境界線を引いて、その範囲をはっきりさせることです。

人間関係において、自分の責任と相手の責任の線引きをするのは、難しいことです。
特に日本人は、「自分」を意識しないように育てられている傾向がありますから、
なおさらです。

バウンドリーがないと、人間関係のトラブルに巻き込まれやすくなります。
当たり前ですが、私たちは、隣の家の庭に落ちているゴミを拾う責任はありません。

しかし、普段、人とつき合うなかで、「隣の家のゴミ拾い」をしている人は多いのです。

夫が読んだ新聞を妻が片付ける、同僚の残業を引き受けるなどは、その典型です。
こういう人は、そこは相手の領域なのに、
そこに落ちているゴミが気になってしかたがありません。

すると、そのうちどうなるでしょうか。
隣人はゴミを拾ってもらうのを待つようになり、自分で拾うことをやめてしまいます。

つまり、他人のバウンドリーを侵すことは、
他人の自立を妨げることにつながってしまうのです。

このような関係を続けると、互いが疲れ果ててしまいます。

自分のバウンドリーを確立すると言うと、「わがままだと思われるのではないか」、
「自己中心的なのではないか」などと考えてしまいがちです。

しかし、それは全く逆です。

自分というものがわかればわかるほど、つまり、自分の領域がわかればわかるほど、
他人と自分の境界線が明確になり、人づき合いが円滑になります。

バウンドリーを正しく活用すると、
日常生活のさまざまな場面における人間関係の悩みを解決することに役立つのです。

丸屋真也(著)『他人は変えられないけど、自分は変われる』から要約しました。

 

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自分のできること、できないことが自覚できている人は、
上手に人の助けを借りることができます。

「自立した生活は、他者に依存しなければできない」ということを頭に入れてください。

「依存」という言葉は、「自立」と相反する言葉のようにとらえがちですが、
依存そのものは、悪いことではありません。必要なことは、人に依存していいのです。

問題になるのは、自分のできることまで人に依存することです。

逆に、助けが必要なのに依存しない、依存できない人も、
本当の意味で自立しているとは言えないわけです。

米国は、自立を促す個人主義的な国です。

これに対して、日本は、物事をあいまいにする傾向があります。
「自分」というものを意識しないように育てられることが多いのではないでしょうか。

たとえば、自分の考えや感じていることを口に出さないだけでなく、
だれかが言ったことに対して、本当は賛成できなくても、
「私は反対です」とは言わないように育てられることもあるのです。

「あいまい」が通じる社会では、人は本心や感じていることをなかなか明かしません。
はっきり伝えなくても察してもらえたり、配慮してもらえたりするからです。

「あいまいさ」は「人が自立しにくい環境をつくる」という短所があります。

個人の責任の範囲があいまいなために、他者の領域まで入り込んだり、
侵入されたりすることが起こってしまうのです。

しかし、日本の社会は大きく変化し、社会の構造も家族のあり方も変わりつつあります。
終身雇用制度は見直され、仕事を持つ女性が増え、少子・高齢化が進んでいます。

この大きな時代の流れの中で、新しい形の「自立」が求められているのは確実です。
米国のような強い個人主義ではなく、日本人に合った自立が可能であると考えます。

「自立」とは、「他者との適切な関わりをつくること」と定義できます。
つまり、自立とは、他者から離れていくことではなく、他者との良い関わりを築くことなのです。

これが、日本人に合った「自立の定義」であると確信しています。

人間関係を改善するためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか。
それは、相手に対して「ノー」を言うことです。

「ノー」が言えるようになることは万能感から解放されることでもあります。
相手に「ノー」が言えないために、人間関係で悩んでいる人がたくさんいます。

家族間、職場内、友人間で、はっきりと「ノー」が伝えられないために、
がんじがらめになったいる人間関係は少なくないことでしょう。

「ノー」が言えたら、人生は確実に変わります!

丸屋真也(著)『他人は変えられないけど、自分は変われる』から要約しました。
 

万能感を持つ人には、いくつかの特徴的な傾向がみられ、
社会現象と呼べるような事柄にもなっています。

1.依存症的

携帯電話は便利なものですが、片時も手放せなかったり、送ったメールに
すぐに返事が来ないと不安になったりするのであれば、依存症的と言えるでしょう。
衝動買いも依存症のひとつです。

2.回避的

「できる自分」を保つために、難しいことや大変な場面に直面すると逃げてしまいます。
こういう人は、問題が起きるたびに言い訳をしたり、他人に責任を転嫁したりして、
自分の非を認めようとしません。

3.短絡的

離婚や恋人と別れた原因を聞いてみると、「離婚させすれば、なんとかなる」という、
短絡的な考えを持つ人が目立ちます。

夫婦間の問題を解決しないまま離婚しているので、
再婚してもまた同じような理由で、夫婦不和に陥るのです。

4.完璧主義的

万能感のある人は、自分の犯す小さなミスも許せません。
許してしまうと、自分を受け入れられなくなるからです。

このような人は、他人に対しても完璧を求めるので、
相手に不完全なものを見つけると、つき合いをやめて関わろうとしなくなります。

では、人間関係病から逃れるためには、どうすれば良いのでしょうか。
それは、ひと言で言えば、「自立」することです。

自立と聞くと、親から経済的に独立して、
ひとりできちんと生活している姿が思い浮かぶでしょうか。

確かに、経済的に独立することは、自立のひとつの条件として大切なことです。
けれども、それだけでは、お金にコントロールされたライフスタイルになりかねません。

お金で解決できない、健康的な問題、恋愛のトラブル、人間関係のこじれ、
などが起こった時に適切に対応できず、不安定な精神状態に追い込まれるようならば、
本当の意味で自立しているとは言えません。

「自立」とは、「他人に頼らないでなんでも自分でやること」と誤解する人がいます。

しかし、本当の自立とは、「自分のできることは自分でやり、
自分の限界を超えたところは他人の助けを借りることができる」ということなのです。

丸屋真也(著)『他人は変えられないけど、自分は変われる』から要約しました。
 

(1)相手に対して、すべて「イエス」と答える、「ノー」が言えないタイプ

人から頼まれるとすべて「イエス」と答え、「ノー」が言えない人のことです。
自分の考えやプランがあっても、断れずに相手に従ってしまいます。
このタイプが一番多いと言えるでしょう。

20代OLですが、職場をすでに2回替わっており、現在の職場も替わろうとしています。
辞める理由は、上司から仕事を頼まれると、自分の仕事より、そちらを優先してしまい、
残業が増えて体調を崩してしまうからです。

「自分の仕事で手一杯なのに、どうして断らないのですか?」と尋ねると、
「仕事ができない人間だと思われたくないから」と答えました。

30代主婦は、将来に備えて放送大学で勉強中です。
ところが、同じ年代の子供を持つ親たちのグループからお誘いがかかると、
本当は忙しいのに「ノー」が言えずに悩んでしまうのです。

彼女は「断ったら、もう誘ってもらえないかもしれないという不安があるから、
無理をしてでも出かけて行きます」と告白しました。

他にも、次のような人がいます。
「恋人からお金をねだられると、嫌われたくなくて、渡してしまう人」、
「週末は、夫の予定に合わせて過ごしている人」などです。

「なんてわがままな」とびっくりさせられる相手の態度に、
不満を持ちながらも合わせてしまっているのです。

このような人は、できない自分を人に見せることができず、
すべての人に嫌われたくないと思っています。
このような感覚に支配されているために、「ノー」が言えないのです。

(2)人の忠告や都合を聞かない、「ノー」が聞けないタイプ

相手から発せられる「ノー」が聞けないタイプです。

20代女性は、アルバイト先を転々と替え、長く勤めることができません。
長続きしない理由を聞いたら、上司から「仕事の覚えが悪い」とか、
「お客さんに、もっと丁寧な言葉を使うように」とうるさく言われたので辞めたそうです。

上司の注意は、彼女に対する「ノー」に当たりますが、
これを聞けないために辞めてしまうのです。
彼女は「ノー」を受け入れないことで、「できる自分」を保とうとしています。

厳しい現実を回避して、現実味のない将来にばかり目を向けて、
万能感を持ち続けようとするのも、このタイプです。

なりたい職業をころころと替える女子大生がいました。
夏休みにヨーロッパへ行き、「将来は外資系企業で働きたい」と言って
英語を学び始めたのですが、長続きしませんでした。

すると今度は、「ネイルアーティストを目指す」と言って学校に通い始めましたが、
それも途中で、「就職が難しい」「収入があまり期待できない」
などの理由でやめてしまいました。

相手に有無を言わせず、自分の思うとおりに取り仕切ってしまう人、
家族や恋人が自分の思いのままにならないと、
ヒステリックになって要求をかなえさせる人は、相手の「ノー」が聞けない人です。

(3)他人に無関心で、手を差し伸べない、「イエス」が言えないタイプ

「イエス」が言えないタイプとは、自分ができることでも、
他人に手を差し伸べることをしない人のことです。

彼女たちは、自分自身や自分が興味のあること以外には関心がありません。
従って、まわりが困っているときでも、助けることはなく、無関心です。

このような女性が、自ら進んでカウンセリングを受けることはありません。
しかし、まわりにいる家族が、困り果てて相談にやってきます。

30代独身OLは、親と同居しながら、掃除・洗濯はすべて親任せ、
小遣いまでもらっているのに、親が病気で寝込んだときは知らん顔で、
好き勝手に遊びまわっていました。

このタイプは、自分はもちろん、他人も万能感であると思い込んでいるので、
手を差し伸べることがないのです。

職場で皆が忙しくしているときに、自分からは何も手伝おうとしない人も、
このタイプです。一緒に働く人たちは、フラストレーションがたまっていきます。

(4)人に助けを求めることができない、「イエス」が聞けないタイプ

深刻な問題や悩みを抱えているのに、他人に助けを求めたり、
援助を受けたりできないタイプです。

本当はサポートが必要なのに、他人からの申し出を受けることができず、
拒否してしまいます。

こういう人は、自分では「何も問題はない」と思っています。
従って、本人がカウンセリングを受けに来ることはありません。
周囲が悩んで相談に来ます。

このタイプは、人が大勢集まるような場所を避け、ひきこもることもあります。
何事にも頑固で、自分流を貫きますが、自分の前に他人が立ちはだかると、
怒りをあらわにし、感情のコントロールが困難になります。

丸屋真也(著)『他人は変えられないけど、自分は変われる』から要約しました。









日本は、カウンセリング・ブームと言われて久しいですが、実際に相談にやってくる人々は、アメリカに比べると、まだごくわずかです。

「家族の問題は、家族で解決したい」という考えが根強くあり、保険が適用されない自由診療なので、気楽に受けにくいのです。さらに、「どこへ相談に行けば良いかわからない」という情報不足も原因の一つです。

しかし、カウンセリングを希望している人は、潜在的にかなり多いのです。
クライエントの8割は女性で、彼女たちは、まわりで起きた問題を、すべて一人で抱え込んでいます。

たとえば、20代女性の場合、職場で上司が何もしないために、その分の仕事もこなさなければならず、目の回るような日々を送っています。

結婚して共働きの30代女性は、彼女よりも早く帰宅してもテレビを見て待っている夫のために、急いで夕食を作り、クタクタに疲れています。

50代女性は、夫の父親の介護をしているのですが、夫は手伝わず、夫の兄弟も文句や注文を彼女に押し付けてくると言います。

彼女たちは、自分の体力や時間の限界を超えて、一生懸命に頑張っています。
くたびれ果てているのに、口から出る言葉が「私がやらなければ、だれがするの?」という自問自答なのです。

彼女たちの心の深層には、「万能感症候群」という心理病理が隠されています。
万能感とは、「自分が何でもできる存在であるかのような錯覚」のことです。

しかし、だからと言って、「彼女たちが自信満々だ」ということではありません。

丸屋真也(著)『他人は変えられないけど、自分は変われる』から要約しました。


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プロフィール
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中村彰宏
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男性
職業:
心理カウンセラー
趣味:
カラオケ、テニス、映画
自己紹介:
氏名:中村彰宏
職業:心理カウンセラー
学歴:米国ロマリンダ大学院
カウンセリング学部卒業(修士)
資格:米国カリフォルニア州認定・
夫婦家族療法セラピスト
現職:オリーブ・カウンセリング・
センター(代表)
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